11年前。
一人の男が使命を胸に、勇敢に池底へと潜っていきました。おさらいはこちら
そして2022年5月。
あの180ポンドのヒーローは僕たちの元に戻ってきました。
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時は2022年。
謎のウィルスに襲われた世界は混乱を極めていましたが、我がBOOSKAは4年ぶりのTournament開催を決意しました。
しかしウイルスの影響により、艇庫は荒れ果て、ブイは真っ黒、電子レンジも壊れ、桟橋は踏み抜き注意、といった有様。
「こんな桟橋じゃ大会なんて無理だ… 大改修が必要だな。」
桟橋改修プロジェクトが発足し、K、W、Gの遠征学生の手を借りながら順調に進んでいきました。
しかし、突貫工事の作業にはそれなりの犠牲が伴いました。
R「あーラチェット落としたー」
G「あーアイホン落としたー」
K&Y「あーガスキャップ落としたー」
間抜けな作業員たちは次々と致命的な物を水没させていきます。
このままじゃ池の底はドン・キホーテの陳列棚のようになってしまいます。
「”マグネットサルベージャー” も効かないとは。俺が行くしかない、ってか」
モーリーは覚悟を決めました。11年ぶり3回目。
今回の装備は前回とは少し違うようです。
「ハンディポンプでチャージするポータブルなボンベ… チャイナ製の危険なアイテムだ。」
さすがのモーリーも、水筒みたいなボンベに不安の色が隠せません。高圧空気を注入するだけでも憚られます。
↓ 怪しい中華ボンベに命を預けることにしたモーリー。
「なぁに、問題ない。任せとけ。」
華麗なるフロントエントリー
ブクブク…
180ポンドに釣り合う5つの鉛ウエイトを装備し、スムーズに沈むモーリー。
モーリーにとって池底は庭も同然。でも油断は禁物です。
「チッ、ザリガニの群れがいる。気を取られるな…」
モーリーの天敵、ザリガニの洗礼が不安を煽り、呼吸を乱します。
「このボンベは60分ポンピングしても10分しか持たない… 無駄な呼吸は命取りだ。」 スーーーハーーー
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そんな彼にも守るべき家族がいます。桟橋で不安そうに見つめるミッツミーとコモーリー。
「モーリー! 何処? モーリーーーー!」 二人の声は水の底までは届きません。
10分ほど経ったでしょうか。モーリーはまだ水の中。
みんな、中華のボンベがまさか10分も持つわけない、と諦めはじめていました。
その時。
ザバー。
「おいおい。みんなシケた面しやがって。まだ殺さないでくれよ☆」
モーリーの手にはラチェットとアイフォーンが握られていました!
「ガスキャップは次回にお預けだな。」
もう戻ってこなくてもいいや、と思っていたラチェットと水没アイホンが地上に戻ってきました!
「モーリー!モーリー!モーリー!」
池底から戻ってきたヒーローを称える声援は、やしろの森にいつまでも響き渡りました。
お わ り
(後日、管理人も潜りましたが、ガスキャップを見つけることは全然できませんでした。さすがモーリー。)